僕のオタク・サブカル思い出(25)
高校生になるとこれまでの小・中の校区からさらに広がっていくので、今まで交流のなかった地域の生徒と一緒に通学するようになるんですが、僕の場合は学校よりも通ってたゲーセン「達人と名人」を通してできた同級生の友達もたくさんいました。基本的にはクラスメイトのY君つながりで、次第に僕の交友関係は中学からの持ち上がりから達名で出来た友達の方に軸足が移っていきます。
そんな中、メンバーのうちの一人が「TRPGをみんなでやってみよう」と提案してきました。
TRPGとは「テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム」の略称で、我々世代にとってRPGといえばドラゴンクエストやファイナルファンタジーが代表格のコンピューターRPGでしたが、TRPGはそれを紙とペンとダイスで遊ぶクラシカルなスタイルのRPGです。
TRPGの代表格といえば近年映画にもなった金字塔「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(D&D)」ですけど、D&Dは歴史が長く様々なシナリオがすでにたくさんあるものの、正直殆ど前提知識もない高校生の僕たちにはハードルが高いんで、日本における代表的なルールブック「ソード・ワールド」の方を選択しました。こっちはD&Dに比べると簡素なルールですが、工夫すれば本当に白紙とペンと6面ダイスだけでなんとかなっちゃうので初心者にもとっつきやすいんですよね。
TRPGのプレイの流れは「キャラメイク(パラメータをダイスを振って決め、それを元に自分のキャラの設定を決める)」→「進行を務めるゲームマスター(GM)の口頭の指示に従い、キャラになりきって仲間と相談しながら会話でゲームを進める」という感じ。
シナリオは市販のものもありますが、GMが事前に作成することも多く、同人誌でシナリオを発行しているサークルもたくさんありますね。そしてゲームの進行はすべて口頭で行うため、システムの上で決められた行動しかできないコンピューターRPGでは考えられない予測不能の行動をプレイヤーがやってくることもよくあるので、実際のゲームの面白さはそのGMの会話コントロールの腕にかかっているとも言えます。
その時点でも、有名な日本のファンタジー系小説「ロードス島戦記」の大元がこのソードワールドのリプレイ(プレイ後にその時の会話等をまとめて読めるようにしたもの)という話も知っていたので、特に下調べもせずノリで日取りを決めてメンバーの一人のお宅にお邪魔して6人で宅を囲んでいざプレイ。
メンバー全員が同級生で気心もある程度知れている状態だったので基本的には和やかに進んでいきましたが、そこはやはり考えるより先にノリで行動する男子高校生、森に行って調査して欲しいのにいつまで経っても酒場から出ていこうとしなかったり、敵の奇襲を受けるであろうポイントを野生のカンで事前に回避しちゃったりと、シナリオの想定通りに行かないことばっかりで、想定2時間くらいで終わるはずのシナリオに倍くらいの時間がかかって、最終的に全員が会話疲れでぐったりしてしまうほどに白熱していました。
でも、TRPGはこれが一番楽しいんですよね。会話で進行できるし、ロールプレイするから自分じゃない行動も取れたりするので、誰も予測しなかった方向に話が進んでくあのライブ感を楽しめるのは唯一無二の面白さだと思います。
以降、同じメンバーで5回くらいキャラを引き継いで遊んでましたが、自分の立ち回り方や他のキャラ(とそのプレイヤー)の役回りを理解するにつれてゲーム自体の面白さも増していくのと、単に会話を重ねる行為自体の楽しさも加わって、妙な連帯感が生まれる空間になってました。
僕が知ってるTRPGのルールブック、あとはクトゥルフ神話TRPGとかウィザードリィTRPGかなあ。あとは僕が高校生の頃はたしか「ガープス」っていう汎用ルールブックが発表されて、それを使った色んな世界観の拡張ルールブックが出てましたね。
TRPGは遊ぶために最低でも2人以上のメンバーが必要になるのと、会話力が必要なので結構ハードル高い遊びなんですけど、ソードワールドくらいなら事前知識それほど無くても気軽に遊べるのと、今だとキャラメイク支援ツールとか多面ダイスアプリなど支援ツールがたくさんあるので、ボードゲームのノリで取り組めるようになったのはイイなあと思いますね。
後年、40代あたりになってから「TRPGやりませんか」というお誘いがあって何回か参加させてもらったんですが、若い時に比べるとノリだけでなんとなく行動みたいなことは少なくなり変に論理的になったりした半面、よりキャラクターのロールプレイをやりたいという気持ちになり「自分自身なら違うけど、このキャラならこう行動するだろうな」って視点で遊べるようになったのは面白かったな。ただ・・・体力というか集中力が・・・。