僕のオタク・サブカル思い出(6)

  僕は小学校4年生くらいまでは、単に小太りで運動が嫌いな小生意気という程度の何も取り柄のない完全なモブという風体でしたし、全国でも平均以下の学力しかない沖縄においてトップクラスに学力の低い地域でしたので、年齢が二桁に届くまではその見た目でイジられ倒す役になってました。


 幸い気に病むほどのイジメみたいなところまでエスカレートすることはなく、一応体育以外の勉強は平均以上をキープし、放課後一緒に遊べるくらいの友達も何人か居たので、ぼっちで陰鬱と過ごすということは無かったものの、基本的には自己評価が地を這うように低かったんで、もはや何も考えず日々を過ごす能天気になるほかありませんでした(とはいえ、勉強は大嫌いで帰ってからはゲームすることしか頭に無かったんで、宿題の類は8割方放置してましたけど・・・)
 その能天気っぷりと日頃授業を真面目に受けている(ように見せかける)姿勢を評価してくれたのか、小学校・中学校共に生徒会を押し付けられるということもありましたが、その時に「人前で何かする、喋る」みたいなことに対する耐性がついて、今でもDJなどで過度に緊張することは無くなりましたね。押し付けられたこと自体は今でも許してないからな!

 小学5年生の夏頃、我が家にパソコンがやってきました。うちに初めて導入されたのは当時国産機トップシェアのNECから発売されたPC9801で、モデルはUV11の3.5インチフロッピーディスクドライブタイプでした。NECのパソコンといえばホビー向けで一時代を築いたPC8801がまだ現役でしたが、父が職場でパソコンを導入するにあたり使い方を学ぶためと称してビジネスに強いとされたPC98が選ばれたとのことでした。
 昔触ったことのあるファミリーベーシックとは比較にならないほどの重厚感(いやあの当時はそうだったんですよ)とグラフィックは衝撃でした。那覇市国際通りにあったトイマートの2階や、家の近所にあったベスト電器でもパソコンは見かけていたんだけど、いざ我が家にやってくると湧き上がってくるのは「ゲーム雑誌で読むあの憧れのゲームを実際にパソコンで遊びたい!」でした。

 ちょうどその5年生の頃、クラスメイトに「家にPC8801がある」という子が居たので何度かお邪魔して触らせてもらった際、実機で動いてる「ラストハルマゲドン」(滅亡した人類に代わり地上を支配している悪魔やモンスターたちが地球に襲来したエイリアンと対立するRPG)のグラフィックに度肝を抜かれた経験を経ていたんで、どうせならファミコンでは絶対にできないであろうゲームが遊びたい!と思い、しばらくパソコン雑誌を立ち読みしたりして情報収集をしていました(その時にマイコンBASICマガジンと出会いました)
 その中で注目していたのが、ゲーム性・グラフィック・音楽がそれぞれに高水準であると高い評価を受けており、すでに先行してファミコンに移植されていた「イース」や「ドラゴンスレイヤー」シリーズなどを開発していた日本ファルコム製のRPGで、ドラスレシリーズの当時の最新作である「ソーサリアン」。マルチシナリオ式の横スクロールアクションRPGで、キャラメイクが出来て魔法を自分で生成するなどの特殊なシステムを持ち、さらに追加シナリオがリリースされたことで大きな話題を呼んでいた作品でした。
 ほかの作品と比較しても明らかに「家庭用ゲーム機では遊べなさそうな雰囲気」があったソーサリアンに狙いを定め、その年の誕生日プレゼントとして購入してもらいました。ところで「沖縄オタククロニクル」でもあったんですが、当時は通販のほかに「カタログから欲しい商品を決めて取り寄せてもらう」という買い方があって、一時期カメラを趣味にしていた父が懇意にしていた販売業者がその取り寄せもやっていると聞きお願いしたのでした。届くまでにひと月くらいかかったんじゃないかな。

 いやもう、初めて起動したときから明らかにファミコンとは段違いの表現力のOPを見たときの感動は今でも忘れませんね。もちろんゲームも大満足の面白さで、しばらく延々とパーティーを組んでは魔法を合成したり(しかも魔法の合成に関する情報はゲームに付属された説明書の後半に「魔法の書」って項目があって、明確な組み合わせ方は書いてないんですが古文書のような文体で組み合わせのヒントを提示してくれるという演出があり、これがゲームへの没入感を高めていました)、電波新聞社から出版された「ALL ABOUT ソーサリアン」を購入してからは不老不死にしたキャラを作成して無双状態でシナリオに挑んだりしてましたね。

 また、ちょうど同時期に那覇の現在の県庁前(りうぼうのはす向かい)にJAVYという商業施設がオープンし、その中にベスト電器コンピュータウンというパソコン専門フロアが出来たのと、そこに「ソフトベンダー武尊」(端的に言うとパソコンソフトの自販機)が設置されたことにより、ソーサリアンの追加シナリオも購入できるようになったのは幸運でした。パッケージ化されていない追加シナリオは武尊のみの取り扱いだったため、結構長いことソーサリアンで遊ぶことが出来ましたね。本当に画期的な施設だったなあ。

  我が家にはPC98以外にもうひとつのNECハード「PCエンジン」もありました。PCエンジンはNECがハドソンとタッグを組んで開発された家庭用ゲーム機で、リリース当初から「コア構想」という計画の元でハードウェアによる機能拡張を繰り広げ、家庭用ゲーム機初のCD-ROMシステムを展開した名ハードの一つです。
 PCエンジンは次兄が「ファミコンの次はこれだ」と2年分のお年玉をはたいて88年の正月頃に購入しました。一緒に買ったゲームは「加トちゃんケンちゃん」と「R-TYPE1」でした。前者は大変有名なので説明は省きますが、後者のR-TYPEアーケードゲームの移植版で当時としてはとんでもない高水準の移植度を誇ってたものの、その分難易度もアーケード準拠で非常に高かったのと、実はアーケード版の前半しか収録できず後半は同時発売のR-TYPE2を買ってね♡という今考えるととんでもないパッケージではありましたが、そんなことどうでもよくなるくらいの衝撃でしたね。
 PCエンジンはこのあと中学に上がってからさらに稼働率が高くなっていくんですが、この話は後ほど。

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