Reason 1.0 Song Challange? やってやるよ! 旧バージョンで!

 

 どうしてもCubaseと比較すると地味と思われがちだけど、その特殊かつ直感的な操作性で今も僕らを魅了するDAW「Reason」が、先日最初のバージョンのリリースから20年目を迎えたとのことで、公式サイトにて「20th Anniversary Reason 1.0 Song Challenge」を開催中です(2020年11月30日まで)

 これは「一番最初のバージョンである1.0のモジュールのみで曲を作ろう!」という企画で、20年目の節目に敢えて限られたインストゥルメントとエフェクターのみで構築せよ!というものです。


 まあ言うても僕はそれこそReason最初期バージョンも触ってて、先輩からの曲発注へのギャラとして2.0を買ってもらったときからずーーーっとReasonを愛用し続けるヘビーユーザーですよ、その程度の縛りなら別に平気で出来ます。

 なので、今回は手元に現存する一番古いバージョンである2.0をWin10マシンにインストールして、可能な限り古い環境でそのまま曲作りをやってやろうじゃないか!というチャレンジです。


 で、実際にインストールして久しぶりにあのころの環境を再現した上で制作を始めたんですが、このチャレンジを通して「20年の間にReasonは恐るべき進化を遂げていた」ということを嫌というほど味わうことになったのでした。


 使用できるモジュールを1.0準拠にすると、公式ブログに記載されてる以下のみということになります。

  • NN19
  • SubTractor
  • ReDrum
  • Dr Rex
  • Matrix Sequencer
  • 14:2 Mixer
  • RV-7 Digital Reverb
  • RV-7 Digital Reverb
  • DDL-1 Digital Delay Line
  • D-11 Foldback Distortion
  • ECF-42 Envelope Controlled Filter
  • CF-101 Chorus/Flanger
  • PH-90 Phaser
  • COMP-01 Compressor/Limiter
  • PEQ-2 Two Band Parametric EQ
 まあ当時はこの構成で作ってたのであんまり不便はないよな・・・って思ってたんだけど、ここまでの20年で増えたモジュールで僕がめっちゃ使ってるマキシマイザー、ステレオエンハンサー、オーディオスプリッター、6チャンネルミニミキサーが無いのはまあまあキツイな。
 特にマキシマイザーはキックの音作りにおいてとても重宝していて「KONGに複数キック入れてリンクさせたあとミニミキサーにいれてバランス調整してマキシマイザーを通してからメインのミキサーに送る」ということをやってるんだけど、リミッターとしての手軽さがハンパないのよなー。
ドラムマシンの構成がだいたいこんな感じ in Reason10

 今回は擬似的にReDrum→ミキサー(ドラム用にひとつ増やす)→コンプ、というルーティングをして、ミキサーのエフェクターにディストーションをつないですこし味付け。まあこれはこれで使えるね、縦に嵩張るけど・・・。


 次に大変だったのは、完全に忘れてる初期Reasonの操作方法。Reasonは4でシーケンサー部分に改修が入ったので、機能だけでなくショートカットやクリップ等の挙動もかなり変更されてるんですよ。久々に触って衝撃だったのは以下の点。
  • 現Reasonのシーケンサの基本機能「クリップを置いて、その中にノートを記述する」「クリップをダブルクリックしてピアノロールに移行」「ノートを書くとその音が出る」が全てできない!
  • 旧Reasonのシーケンサの基本的な書き方は「トラックにノートを直接記述」「その上にクリップを被せることで、そのエリアをまとめてコピーできる」「ダブルクリックしてもクリップは開かない」「タイムラインからピアノロールに画面を切り替えることになるため、開けたところが編集したい場所とは限らない(想定してないトラックや場所だったりすることがよくある)」という感じで、今となってはかなりクセのある挙動。
  • クリップの色がノートの記述によって自動的に変わる。これは正直結構好きな仕様だった。これ現仕様で使えるの?
  • 現仕様ではタイムラインのバー部分のあたりがトラックの頭から何分何秒かが表示されているが、当時はそんな機能もないので地味に不便。
  • ウィンドウ左側のブラウザーが当時は実装されてないので、ドラムマシンやサンプラーに波形ファイルを呼び出すときは別ウィンドウでブラウザが開く(一応プレビューが使える)
  • ReDrum等に波形ファイルを読み込むとき、現仕様では「演奏中にブラウザで波形ファイルを選択すると、自動的に波形ファイルを読み込んで演奏に反映させられる」けど、この頃は別ウインドウということもあって無理。
  • Recordすら無い時期なのでトラックに直接波形ファイルを置くとか録音するとかも無理。パッドやドローンなど長い波形ファイルもサンプラーであるNN19で呼び出して再生しないといけない(公式ブログでも注意事項として書かれていた)
  • が、2MB前後くらいのサイズの波形ファイルはプレビューすらできないので呼び出してみないと音が解らない。
 とまあ枚挙に暇がない。いやー初めて4.0を導入したときは仕様が思いっきり変わったので「これ使いにくくなってね?」って思ってた自分を説教したい・・・現仕様マジで天国・・・。

 あと久々にNN16使ってわかったけど、あれ複数の波形ファイルを読み込めるものの全てのパラメータが共通で反映されるので波形ファイルのスタートポイントを調整すると他の波形ファイルも同じだけズレたりするなど、地味ーに面倒な仕様なのね。そらNN-XTしか使わなくなるわな。


 とまあ色々と試行錯誤しつつ曲が完成しましたので、Reasonを持ってる人はDLして聴いてみてくださいな。てゆうか最近のReasonはレガシーファイル普通に開けるのね。