曲を作ってる人は値段つけて配信したほうがいいんじゃね?っていう話

 まず、あなたが音楽を作っていて、そのジャンルが今最も注目されているものであるか、またはその全く逆で既に廃れてしまったマイナージャンルなら、このあとの文章を読むといいことがあるかもしれません。その中間くらいだとあんまり効果ないかもですが、考え方は大体似てると思うのでよかったら参考にしてください。
  では結論から先に。

 あなたの曲は有償で配信するべきです。 ディストリビューターを通してではなくbandcampなどで自分の手で配信するのがベストです。


お伝えしたい一番大事なとこは以上です。ここから先は、この結論に至るまでの経緯と考え方についてつらつらと書いていきますので、読む気がないならこの結論で満足して帰って下さい。



1.あなたの曲は有償配信されるべき


 僕は20年以上曲をインターネットで公開し続けた実績があります。最初の数年はブレイクビーツっぽい曲で、あとはハードミニマルです。で、そのうち19年くらいは殆どの曲を無償で配信していました。お金を渡さないとプレイヤーに入れることができない曲となると、多少なりとも心理的な壁ができてちゃうんで、無料でいつでも聴けるように!という感じです。

 当初僕は年1回くらいのペースでCD作ってました。ちょうどCD-Rが普及したころだったんで、CD-Rに焼いてジャケも手作りしてインディーズを扱ってくれるレコードショップにおいてもらったり、パソコン通信やインターネットを通じて個人で通販してました。一番売れたときは1,000円設定のCDが10枚くらいなので、まーそれはもうミュージシャンと名乗るのもおこがましいレベルです。
 で、10年くらい前あたりからは「CD作ったところで誰も買わねえよなーっていうかおれの曲金出して買うやついねえだろ」と思っていて、たまに同人誌をつったときにおまけで配布したり、あと作った曲は基本ニコニコ動画やYouTubeで聴けるようにしたりSoundCloudで聴けるようにしてました。それと並行して誰かのCD企画に乗っかって曲を収録してもらったり、海外のネットレーベルと契約して曲をいくつかbeatportで配信してもらったりしていました。

 そこで気づいたことがふたつあります。ひとつは「長く活動していると曲に対するリアクションが固定化されるか減少していく」という点です。20年もやってるとSNSでよくやりとりする人や実際によく会うひとなんかもいて、大体はそういう人からのリアクションです。それは当然嬉しいんですが、固定化されるとそのあとは減少するしかなくなるんですよね。なにしろずっと活動しているんで「あの人の曲はだいたいこんな感じのクオリティだろう」ということが周知されちゃって、じゃあ後で聴こうか~ってことになりやすいです。そして受け取る人が少なくなると作るモチベーションが薄れていっちゃうんですなあ。
 ほんでもうひとつ、これはこのあとの話にもつながっていきますが「金額に関係なく、聴く人は聴くし聴かない人は聴かない」ということ。CDと違ってオンラインで曲を公開していると、試聴も楽なので聴いてもらえる機会は格段に増えるわけなんですが、後述する海外レーベルとの契約などを経たうえでも全体的に聴いてもらえる機会は殆ど増えていないという現実も見ることになりました。そもそも興味持てなかったら無料でもDLしないんですよね、特にストリーミングで聴くことができる今の時代のテクノロジーでは。なのでDLするなら有償ですっていうのはあるべきカタチではないかと思います。

 結局金払って聴く人が少ないんだったら、聴く側のコストを可能な限り低くしつつ少しでも収益があがればいいなーと思って、一昨年くらいから曲をYouTubeで公開するときに広告入りにしたんだけど、2017年に入ってGoogleが「YouTubeにおける広告収入の算定は、動画が1,000回以上のものに限定する」という方針を掲げたため、1曲あたり10回くらいしか回らなかった僕の曲はまったくの役立たずになってしまったのです。
 そういった経緯があったので、やけっぱちで「過去に無料で配信した曲も一回すべてmp3へのリンクを切ったうえでbandcampで有償配信に切り替える」という方向にシフト。すると半年ほどしたら1,000円くらいの売り上げがありました。それも一番新しい曲ではなく、過去の曲を掘り返して購入してくれている人も。
 そのあと、今年の7月からは「夏のハードミニマル祭」というTwitterハッシュタグを利用したキャンペーンを展開。同好の士による曲をハッシュタグで収集しつつ自分の曲も告知しちゃおうということでここ数年行っているんですが、この流れに乗じて過去曲一斉放出を行ったところ、この期間だけで総売り上げが大体5,000円くらいになってます。ご購入いただいた皆様ありがとうございます~。これ、1枚1,000円設定でCDを作ったら10枚売れたときで原価抜くと大体同じくらいの金額なんで、在庫抱える心配を差し引くとかなりの負担減です。

 いかがでしょう。僕の曲ですらこのくらいの金額は叩き出せてしまうわけです。まあ生活するに足る額には全く至りませんけど、次の曲作るためのネタを仕入れるには十分な金額ですよ? ちゃんと場所を用意すれば、あなたが丹精込めて作り上げた曲は(数が少なかろうとも)きっと誰かが買います。そこは自信持っていいです。
 もうひとつ、これは曲を作ってると忘れてしまいがちなんですが、曲作りができるというのは充分に特殊技能です。そして作り出された音楽があなたにとって面白いと思えるものであれば、同様に面白いと思ってくれる人は必ず居ます。しかもマイナージャンルになればなるほど、あなたの曲が価値を増してくる可能性が高いのです。だって他にやってる人少ないからね!


2.どこで配信するのがベストか


 次にお伝えしたいのが、配信するにあたってどのルートを使うのが効果的か?という点。結論は「どこでやっても変化ないかも?」です。まあこれ「どんなジャンルの曲を配信するのか?」「どのように告知活動を行うのか?」というところにもよります。

 まずダンスミュージックはbeatportで配信するのがベストですが、それはあなたの曲が明らかに一般ウケしそうなタイプの曲であるかどうかにかかっています。がっちり作りこんだハウスとか現場の雰囲気をよく知る人が作るディープミニマルみたいなのはbeatportが確実でしょうけど、そこで一定数の売り上げを保てるかは実力次第ですし、売れる曲はまず各ジャンルのチャートに入っていることが前提ですよね。そんな曲が作れる人はここの記事では相手にしてません。
 あと特殊なところとして、ボーカロイドをメインにしている人はBOOTHを利用するのが安定です。特にボカロの歌が曲のウリになっているのであれば、ボカロ曲を探すことに特化しているサイトに登録するのが聴く側にリーチしやすいのと、一部ボーカロイドはキャラクターを前面に押し出した配信は契約違反となってしまう場合があるためです(詳しくはpiaproのサイトを読んでね)
 なんにせよ、僕のようにどマイナーな曲だったり曲のクオリティが荒すぎたりするようなのは、beatportで配信したところでディストリビューターにムダ金払うだけで終わる可能性も十分にあります。それなら売上時に手数料取られてもいいやという気持ちでbandcamp使ったほうがよっぽど手取りが多くなるのでは?という感じです。ということでbandcampについてちょっと説明しますね。

 bandcampは個人向け~小規模インディペンデントレーベル向けの音楽配信サイトです。簡単な登録でmp3等が配信できて、PayPalアカウントを持っていると有償配信にも対応します。あと多少ながら日本語と日本円にも対応しているので国内向けサイトの構築にも便利。
 僕の曲は日本人向けにアピールしたところであまり効果はないだろうし、英語圏でじんわり広めていけば数人は好事家がいるだろう、という目論みで使い続けていますが、先述したとおりそれなりの売り上げがありまして、おかげで曲作りの励みの一つになってます。
  bandcampにおける僕のルールは「曲はできるだけ複数、EPの形で公開する」「1曲あたり基本0.5~1$とする」「曲を個別に買うよりEPでまとめ買いしたほうが安くなるようにEPの価格を設定する」。価格をドル建てにして日本人は切り捨てする気満々ですね。でも逆にドル安のとき安く買えるよってアピールできます。
 有償配信の場合、販売手数料は実際に曲が購入された際に売り上げから差し引かれる制度になっていて、取引成立後2日ほどでPayPalに振り込まれます。PayPal口座から自分の銀行口座への送金も可能です。
 ありがたいところは「無料配信」と「有償配信」の間として設けられた「ファンが価格を決める」機能ですねえ。たとえば無料で配信している曲に対して「おれは1$でそれを買う」ということも可能。

 もうひとつ最近増えた手軽な配信サイトが「hearthis」です。このところ経営不振でサイト閉鎖が危ぶまれていたSoundCloudの後継サイトとして注目を集めたサイトですが、ここでも楽曲の配信が可能となっています。
 見た目はSoundCloudに近く、ストリーミングと無料配信についてはすぐに始められます。有償配信にあたってはPayPalアカウントが必要なのと、hearthisのオフィシャルミュージシャン登録という手続きが必要なようです(実際に登録したんですが、審査は1時間で完了したのと、基本「著作権管理団体に楽曲の管理を依頼している曲は配信しないですよね」みたいな縛りしかなかったんでそれほど面倒な内容ではありませんでした。)
 hearthisの有償配信については「価格がユーロのみ(記事制作時点で)」という点はちょっと注意ですね。bandcampと併用する場合、hearthis内での購入フォームの他に別サイトで購入できるよっていうリンクボタンが設置できるので、価格はすり合わせて設定する必要がありますな。
 hearthisでの配信で確認しといたほうがいい点は「販売するデータをmp3にするかwavにするか選択できる」ということですが、通常なにも手を加えなければストリーミング用のmp3をそのまま販売する流れになります。高音質のwavで販売するときは別途ファイルをアップロードしないといけないので注意ですね。それと「販売手数料は無し」と謳っていますが、これは後日どう動くかはわかんないので情勢を見て利用を続けるか判断してもいいと思います。

 これらのサイトでの配信の際に障壁となりそうなのは「有償配信のときのPayPalを含む各種手続きの面倒さ」なんですけど、ここ最近はそのへんもだいぶ緩和されてます。
 まずPayPalアカウント自体はクレジットカード無くても登録できます。そこでアカウント作るとPayPal経由でお買い物できますよっていうアカウントになるんですが、そのあとビジネスアカウントへの移行作業を行います。これもちょっとした入力で終わってしまいます。結構前に登録やったんで記憶が定かではないんですが、銀行口座の登録と確認があったと思うので、通帳記帳またはネットバンキングによる確認はできるようにしといたほうがいいですね(詳しくは公式サイトで確認してね)
 後々PayPalでの買い物で使用するかもしれないのでクレジットカードは登録しておきたいんですが、カードを持っていない場合でも最近ではコンビニで購入できるプリペイドで対応できるようです(VプリカがVISAカードとして機能するのでそっちが登録できるようですな)


3.ネットレーベルとの契約、という道


 もうひとつ、ネットレーベルと契約してそこを通してbeatportなどで配信するという方法もあります。といってもレーベルが契約してくれないとどうしようもないんですが、そこも含めて僕の実体験をお話しします。
 ネットレーベルはそれこそ有象無象にあって、友達を集めてまとめて配信してますよっていうところから、それこそレーベル単位でクラブイベントやツアーなんかをやっちゃう中堅、さらにはCDやレコードもプレスしてより多くのリスナーにアピールしちゃうと大きいところなど様々です。
 きっちり運営してるレーベルだと、レーベル側に曲を送ってレーベルオーナーがリリースするかどうかを決める、という流れでbeatportやiTunesなどに配信されます。なので、曲をリリースすることが決まってもちょっとタイムラグが発生したり、複数送った曲の一部が他の人の曲と組み合わせてEP化されたりすることもあります。

 僕はElektrax Musicというオーストラリアのレーベルと契約してました。きっかけはデモを受付してるネットレーベルを教えてもらい、ダメもとで送ったことからなんですが、当時と比較すると参加ミュージシャンがかなり増えてサブレーベルもいくつか創設されています(サブレーベルの一部が日本人によって運営されていますよ) 僕が拾われたのは、たぶん当時まだそれほど大きくなかったので青田買いの感覚だったのかなと。
 そこで僕の曲がいくつか配信されましたが、契約の際まずオーナーに最初に言われたのが「たぶん想像以上に曲で入ってくるお金は少ないからね」というようなことでしたが、ついこないだまでド素人だったんで覚悟の上なので別に気にしてませんでしたし、むしろここを呼び水にして僕のことを認識してもらい、よりたくさん曲を聴いてもらえればいいなーという感覚でした。
 ただ盲点だったのは(今思えば当然ではあるけど)「レーベルがガンガンやってくれると思った告知がわりとこっち任せだった」というところでしたね。レーベルのネームバリューでそこそこ売れるんじゃねーのと適当に告知したら全然売れなくて途方に暮れたのを覚えてます。んーそこはやはり手を抜いちゃいかんのだなあ。

 その経験からわかったこと、まず「大手配信サイトという武器は存在しない」です。そんなものをアテにしても無駄です。実際に自分が使ってみると解ることでしたけど、一昔前だと購入先が限られていて且つその中でもより手軽なものに集中していたところ(iTunesとか)が、ここ数年はクレカ決済かPayPalに対応していればあまり抵抗感が無いみたいです。重要なのは「曲とどのように出会うか」と「決済までの流れが明確かつ簡素で、より安価で高音質のものが手に入れば良し」っていうことなんですよね。
 次に「ネームバリューに頼っても売れないもんは売れない」。レーベルのネームバリューがあっても、それが要因で売れることは無いです。やっぱりクラブミュージックはジャンルまるごと新曲刈取りみたいなことがなければみんなちゃんと聴いて買ってますな。大手サイトはとにかく曲の量も多いのでトップページから自分の曲にたどり着くことはないし、レーベルで辿って曲買う人はまず元々ネームバリューのある人の曲買うんですよね。僕のようなぽっと出だとまず名前を憶えてもらわなければ~と。
 もうひとつ「告知は自分でちゃんとする」。僕が一番勘違いしていた部分がここで、いわゆるメジャーレーベルのCD販売戦略みたいな感じでレーベル側がニューリリースの曲をプッシュ!みたいなことをやるもんだと思い込んでました。もちろんレーベル側もちゃんと告知してくれますが先ほども書いたとおり僕自身の名前が知られてないので、曲を聴いてもらう機会を増やすには自分で告知をするのが王道、ということになります。
 そんなわけでレーベル契約した程度じゃ僕の曲は売れないという現実に直面することになったんですが、ひとしきり落ち込んだあとで冷静に自分の状況を見返すと「あれ、もしかして自分で配信できた方が身軽で自分の都合に併せた配信ができるんじゃないか?」という考え方に行きつきました。そんなわけで現在は一人レーベル状態でbandcampを中心に配信しています。

 ところで、僕はつい最近も別のレーベルのオーナーというから「うちと契約してbeatportとかで配信しない?」というダイレクトメッセージを頂きました。そこもなかなかの数のミュージシャンが契約しているようで、いろんなタイプの曲がリリースされていることを確認しています。こっちのほうはhearthisで曲を断続的に公開していたのでアンテナにひっかかったらしく向こうからダイレクトメッセージを送ってくれていたようでした。とはいえ僕は先述の理由からもうレーベル通してリリースする気は無かったのでお断りしたんですけど。
 ・・・まあわかってると思うけど、別に僕の曲は特段にイケてるからではないんですよね。キッチリ作った曲なら、少しだけ露出度上げるだけでこういう人たちはとりあえず声をかけてくるんです。最近はそうでもないかもしれませんが、それでも日本人でクラブミュージックだとわりと好意的に声掛けしてくれる人は多いイメージですねー。


4.配信のスタイルを考える


 ここまですげえ成功者風に書いてますが、まあ最初に書いたとおり僕も年間で5千円くらいが関の山というレベルなんでたいしたことはないです。でも今年に入ってから明らかに収益が上げられていることと、どこらへんがよかったのかがうっすらわかってきたので書いてます。おそらく僕よりきっちり曲を作っているであろうあなたならこれを足掛かりに活躍できるはず。
 では、ここからは今回の活動で見えてきた「たぶんこうすればいいカンジ」というポイントを並べていきます。

(1)曲はあらかじめたくさんストックしておこう
 曲を告知するタイミングも重要っちゃ重要なんですが、曲数をあらかじめ稼いでおいて定期的に発表できる体制にしておくのはとても良いと思います。また、サイトを準備する際に既にいくつかDLできる体制を整えておいたほうがいいです。見た目的な問題ではありますが、最初から数曲とかEP2~3つとかあるといいのかなと。
 僕自身はハードミニマル一本槍という感じでやってますけど、ホントはいろいろ器用にできたほうが良いんだろうなーと思う事はあります。これは集客に影響するところもありますが、長期間同じ調子で曲を作り続けていると大体どこかで行き詰るんで、時々メインのジャンルをちょっとだけ離れて~みたいなことができると新しい音とノウハウを吸収して元々の音に活かせるっていう事もよくあります。ストックを増やすという意味でも良いと思うんで、苦手だなーと思うジャンルほどチャレンジする意義がある!と奮起して頑張ってみることもオススメです(僕の場合過去にハウス、ハードハウス、トランス、エレクトロ、アンビエント、民謡などやってました。クオリティは推して知るべし。)

(2)告知は心持ちしつこくしてもいい
 加減にもよるとは思うんですが、Twitterだと1日1~2回のBOT告知に加えてたまに手打ちで告知ツイートを挟むとか固定ツイートを仕掛けるくらいの頻度であれば、普段なんかしらツイートしているアカウントであれば邪魔に思うこともないでしょう。必ず辿りやすいハッシュタグを付けてツイートすることをオススメしています。ジャンル名や自分のツイートが特定しやすい短いフレーズなどで紐つけしておくといいかも。
 またTwitterでは副アカウントで英語圏向けのものを作っておき、完全英語ツイートで定期的に告知を入れていくという方法もありますね。特にジャンル名のハッシュタグは英語で複数入れておくと辿って来やすいみたいです。僕は毎回 #techno #hardtechno #hardminimal あたりと、サイトのハッシュタグ( #bandcamp #SoundCloud #hearthis など)は入れるようにしています。

(3)普段から「居る」ことをアピールする
 これもちょっといやらしい話になってしまいますが、SNSにおける情報の配信は大事とはいえアカウントから発信されるのが告知だけなのは興味持たれづらいところなので、普段からなんかしらどーでもいい事を呟き続けることも大事だよなーと、僕自身が他のトラックメイカーのアカウントを読み漁ってていると痛感します。
 音楽とまったく関係ない話題が多かったとしても、普段の発言が自分と共通する趣味や視点の話だと、合間に挟まれる告知も抵抗なく受け入れられるのと、告知の協力としての再共有も自然にしやすいですよね。
 僕の場合Twitterがメインなんですが、普段ほんとどーでもいい話を大量に垂れ流してたまーにゲームのこととか手芸の話を投げるくらいなんですが、音楽関係ない趣味からついたフォロワーに告知を手伝ってもらうということも結構あります。

(4)メインのサイトを絞っておく
 TwitterなどのSNSから各サイトへ曲を聴きにいくということも重要ですが、最終的にどこのサイトに向かって欲しいかも最初のうちに絞っておいたほうがいいと思います。たとえば僕の場合SoundCloudやhearthisでは収録EPのbandcampのurlを貼り付けして誘導するようにしてます。決済ができるサイト以外はあくまで入口として利用するのがいいように思われます。
 他のサイトはあくまで聴いてもらうためのきっかけとして利用し、曲の購入はbandcampでどうぞ、みたいな体制を作るとファンは新譜等を確認しやすくなり、気に入れば過去曲も掘り返してくれる可能性が若干ですが高まります。あと配信側としても曲の管理がしやすいので便利ですね。

(5)その他
 商売の鉄則で面白かったのは「タダはダメだがオマケを付けるのはアリ」という考え方でした。最初にタダで配布するとあとで金額がついたときに高く感じてしまったり不公平感が出てしまうことがありますが、オマケだと限定であっても無くなり次第終了が受け入れられやすい、という考え方のようです。曲の配信の場合、bandcampではアルバム単位で購入すると一緒にダウンロードできるようになるボーナストラックが設定できるので、こういうところで一緒に配信するのも面白いんじゃないかと思います。
 曲の配信の際、僕もけっこうやりがちなんですが告知の際どうしてもへりくだって「つまらない曲ですが」みたいな事を書いてしまいがちなんですけど、これやると本当に聴く人が少なくなるのでやめたほうが良いです。売り上げ云々以前に単純に聴く人が少なくなるのは致命傷なので、そこらへんはうまく避けて告知していきましょう。
 音楽におけるジャンルの振り分けはいつの時代も論争の種なんですが、僕個人の感想としては「音が似ていれば言ったもん勝ち」くらいでとらえるべき話だと思います。ジャンルって曲の傾向をざっくり振り分けるためのものではあるんですが、その受け取り方は人それぞれなのでよほど一定のルールがない限りそれを明確に仕分けることは無理なんですよね。そんなわけで、自分がこのジャンルだと思ったらそれで正解です。
 有償無償の話とはちょっとズレちゃうんですけど、作品の完成は自分でしか決められないので、完成してないから公開できない!という感覚はほどほどにしといたほうがいいです。おおよそ出来上がってるけど仕上がりに不満、というときに追及しすぎると何時まで経っても何もできないという状況に陥りがちです。あと聴いてる側だいたいそういうところ殆ど気にしてないです。なんであなたがプロじゃないなら完成度は8割程度でいいんじゃないかなーと思いますよ。



 以上、僕から提案する「音楽は有償配信したほうがいい」論でした。果たしてここまで読み切っている人はいるんだろうか。僕も売れないトラックメイカー歴21年でして、経験だけはそれなりに積み上げておりますので、何かしらの参考になれば幸いです。
 ついでに・・・今回は僕を含む有象無象のアマチュアに向けての提言でしたが、この話については本当は「活動歴が長くそれなりに知名度のある人」にこそ聞いてほしい話ではあります。というのも「そういう人が無料配信してると、後進が無料配信で発表せざるを得ない」という状況がすでに頻発しているからです。めんどくさいなーと思ってほったらかしてるひともいると思いますけど、これを機会にご一考下さい。お互い金に余裕無いけど頑張ろうね。